10年の歳月をかけて磨く旅(信念、ご冥福を御祈りします)

投稿No.5974の続き
大学を卒業し就職した私、就職先は某大手ゼネコンの建設会社です。

会社での研修期間も終了し7月の受験で「建築士2級免許」も取得し8月から研修で現場監督助手として現場に赴きました。

普通にいけば「建築士2級免許」がなくとも建築学科系の大学卒業し経験年数3年で「建築士1級免許」の受験資格もあるのですが、私の実家が工務店経営をしている事もあり母から「資格は何でも取りなさい!」との言葉に従ったのでした。
初めての現場は某関東の病院でした、建て替え工事で工期は6ヶ月です。

基礎工事も終わり途中からの参加でしたが、それでも厳しい現場でした。

まず助手としての朝の仕事が作業員たちへの「安全確認」これが出来ていないと現場作業が出来ません!

例えば「安全帯(ベルト)の装着無であると作業員にペナルティーが発生し元請けである我社にもペナルティーが発生する為、一番気の遣う確認作業です!
そして朝の「ラジオ体操」、公共工事である場合は役所からのチェックもある「健康確認及び増進」を目的にしていますが、真面目にする作業員なんて殆どいません、でもやってもらわないといけない為「ラジオ体操の時間ですよ~」なんて笑顔で声を掛け参加してもらう、地味で嫌な作業です。
そんな事をしながら現場での工程を学んでいきます、ですが上に付く現場監督が「職人気質」を持ち合わせている人なら地獄です。

「お前確認してるのか!」「どこ見てるんだ!」「どうして職人を言うとおりに動かせない!」「工程がずれてきてる!」「お前、図面みてるのか!」どなど怒鳴られる事など当たり前のようにあります。

実際に、これが原因で退職する私と同期の人も多数いました。

私と云えば、実家が工務店経営という事もあり中学生の時から現場に連れて行かれた経験もあり比較的そういう事に慣れていたので、あまり気にはなりませんでしたが。
そんな中、一人の職人(鉄筋工)と知り合いました!

この当時にしては珍しい女性の職人、麻里でした。

麻里は我社から云えば「子孫請け」に当たる会社に勤務する年齢は23歳、ですが息子5歳がいる「シングルマザー」の女性でした。
たまたま監督に仕事終わりに誘われた居酒屋で麻里も麻里の会社社長と来ており一緒に飲む事に!

その内、監督は社長に誘われてキャバクラに行く事になり麻里と二人きりになりました!
麻里「ねぇ監督さん、監督さんって大卒なんだよね!」

私 「そうだけど大した大学じゃないよ!」

麻里「ウソ!○○大学でしょ!偏差値が高いって社長言ってたよ!」

私 「そうかも知れないけど一浪だからね」

麻里「それでも凄いよ!」
それから麻里が話し出した。

自分が非行に走り中卒であり17歳で父親の判らない子供を妊娠し出産した事、そして親から絶縁された事、今は後悔し子供を学歴のある立派な人間に育てたいと話した。
私 「学歴が全てじゃないでしょ!学歴がなくても立派な人は多いよ!」

麻里「あたし、学歴なくて苦労したから!馬鹿だし・・・」

私 「でも子供を大事に育てているから立派だと思うよ、俺には無理だよ!」

麻里「そう言って貰えると嬉しいな!」と言って麻里が腕に抱き付いてきました!
この時の麻里は肩までの金髪で白いジャージ姿・・・ 掲載元で続きをみる

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