出張でようやく○台の駅に着いた。
駅から5分ほどのホテルは、シングルのはずが、部屋がなかったのか、妙に広いツインの部屋。
英国調の家具が不思議に気持ちを落ち着かせる。
横になってのんびりしているうちに「一人で寝るのもつまらないなあ」と思い始めた。
若い頃はずいぶん遊んだが、今は女の子と遊ぶ気にもならない。
「そんな歳ではない」という気持ちだ。
「わたしが寝るまで一緒に寝てくれる子が居たら」と思い、「デリヘル○台」と検索して最初に見つけたHPの番号に電話した。
「お好みの子は?」
「いや、別にないですが」
「わかりました。30分ほどで伺います」
きっかり30分後に部屋のドアをノックする音が聞こえ、ドアをあけると廊下に女の子が立っていた。
「こんばんわ~!」
声がでかいっ! あわてて部屋に招き込んだ。
「なんだこりゃ」と思える子だ。
タンクトップに真っ赤なスポーツシャツ。
ジーパンのホットパンツから太い足がにょきっつとはえている。
折角の日本の美、黒髪を金髪に染めて全く気に入らん。
その髪を精一杯結い上げている。
金髪じゃなければ、たまご型の綺麗な日本美人なのに。
こんな子が、いままで静かだった部屋に飛び込んで来た。
「わあ~。お部屋センスいいね! 家具もかわいい!!」
とあちこちの部屋をのぞいて回る。
「あっ!そのパソコン触るな!まだ保存していないっ」
「あ!お客さん作家なんだ。こんなに難しそうな文章書いて」
「作家な訳ないでしょ…。こんなパソコン、サラリーマンなら誰でも持ってる」
娘と会話しているような気持ちになる。
寝るために呼んだはずが、部屋中ざわざわして落ち着かなくなった。
「まあ、いいからそこに座れ」。
両肩を掴んで窓際の椅子に座らせる。
「指!」
と言って包帯ぐるぐる巻いた小指をわたしにつきだした。
最近骨折したそうだ。
どういう風に骨折した話をききながら、ますますこの子のペースに巻き込まれた。
目じりがさがった顔で、一生懸命に話すアヒル型の口元がかわいい。
美容師を目指してがんばった。
何度も挫折しそうになったが、それが実現できて嬉しいという話を聞いて
「ああ、それはよかったね。やりたいことができるのは一番だ」
とか応えているいるうちに、デリヘル嬢を呼んだのを(それも添い寝させるために)忘れてしまっていた。
30分後、気を取り直して、
「お風呂に一緒に入ってくれるか」
と言うと
「うん。一緒にはいろ~」。
二人で服を脱ぎ始める。
色白のむっちりとした身体が健康そうで見ているだけで気持ちがいい。
脱いだ服を丁寧にきちんとたたんで椅子の上に置く。
「女の子は見た目で判断しちゃいけないな」などと思う。
先に風呂に入っているとはずかしそうに入ってきた。
「小さい頃からアトピーがあって」
腕とお尻にあるアトピーの後を見せる。
白い綺麗な肌に、ステロイド系の薬を使ったのだろう身体のあちこちに茶色く変色している部位があった。
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